本日のBGMはCarole Kingの『Music』(1971)。
昨夜、You Tubeでブロードウエイ・ミュージカル『Beautiful:The Carole King Musical』のtrailer(EPK:予告編というか映像広告)を見たのが、引き金になっている。https://www.youtube.com/watch?v=jfnAQG3vSaM
このミュージカルは昨年、上演が開始され、現在までロングランを続けているヒット作のようだ。トミー賞2部門受賞ということだから、玄人筋の評価も高い。
思えば、Carole Kingの生涯は、そのままアメリカン・ドリームである。
歌手を夢見たそばかすの平凡な女の子は、やがてソングライターとして非凡な才能を発揮。
夫となった作詞家とのコンビで、ヒット曲を連発する。
ビートルズが訪米したとき、真っ先に挨拶に来たというエピソードもよく知られている。
そのようなメロディ・メーカーとして大成功しても、歌手になりたいという希望を捨てられない。
でも、美貌も美声もない彼女にその機会はなかなか訪れない。
転機が訪れたのは、離婚やヒット曲の減少など公私ともに辛酸を舐めた20代の後半である。
シンガーソングライター(SSW)、リスナーと等身大の思いや悩みを歌う新しい歌手たちの出現。
そのブームを牽引したのが、Carole Kingのソロ第2作『Tapestry』であった。
このアルバムの世界的な大ヒットによりCarole Kingはビッグネームとなり、
念願の歌手としてその後の生涯を全うしていくことになる。
で、話をアルバム『Music』に戻す。
『Tapestry』の大ヒット中に発売された第3作であり、
どうしても『Tapestry』の光輝にかすんで、影は薄い。
でも、私の愛するアルバムであることは変わりない。
また、某通販サイトに投稿したレビューを引用する。
木漏れ日のような幸福感
懐かしいアルバムだ。いったい何回聴いたことだろう。「Song of Long Ago」ではジェームス・テーラーのパートをよくご唱和したものだ。
確かキャロル・キングは妊娠中で、ジャケットの写真はピアノで腹を隠しているという話があったと記憶する。「Tapestry」の大成功、私生活の充実、人生最良の時を謳歌するキャロルの歌声には自信が漲っている。
春を待つ冬の日だまりのような前作に対して、夏を間近にした晩春の木漏れ日のような作品といえばいいのか。「Tapestry」に劣らず佳曲が多いにもかかわらず、人気では一枚落ちるのは、明るく幸せあふれる雰囲気がわざわいしたのだろう。
しかし、それこそ好きずき。ここにはキャロルの魅力が寿司詰めなのだ。私のお気に入りは「It’s Going to Some Time」「Surely」「Song of Long Ago」など。どちらかというと作曲の評価が高いキャロルだが、これらは歌詞もなかなかどうして素晴らしい。
「幸せでない誰かのために泣こう。そして泣けるほど感じることができたことを喜ぼう」(「Song of Long Ago」)。
私にとっては、このアルバムは「Tapestry」と並ぶキャロル・キングの2枚看板であり、遠い10代の日の忘れがたい思い出と結びついている。 (2005年4月24日)
なんと、いま気がついたが、このレビューを書いたのがちょうど10年前。
『Tapestry』や『Music』を初めて聴いたのは44年前だから、分厚い時の堆積に驚くしかない。
それでもなお、いまも多くの音楽のなかで私のお気に入りであり続けている。
おそらくは一生物。80歳を過ぎても、ときどき聴いているに違いない。
上記の10年前の私のお奨めの3曲をあげておこう。
懐かしいと思う方も、これまで聴いたことがない方も、
ぜひ聴いてみてください。
「It’s Going To Take Sometime This Time」 https://www.youtube.com/watch?v=h3dvSkSrOxI
「Surely」 https://www.youtube.com/watch?v=R78_PAiygw4
「Song Of Long Ago」 https://www.youtube.com/watch?v=gQFhw2RcBXY
ちなみに、10年後のいまの私のお奨めは、「あなたがいたから生きてこられた」と子供のことを歌ったこれ。
「Brighter」 https://www.youtube.com/watch?v=rTRFAd2o_CQ