Farewell to my friend あるいはTonight’s the Night

長年のパートナーが逝った。

昨夜のことだったらしい。

3年余の闘病生活を経て、

生命の灯がとうとう尽きた。

20代の半ばから30年以上、一緒に仕事をした。

少し年長だったが、常に私をサポートしてくれた。

いつもじれったいほど、一歩ずつ、一歩ずつ、

堅実に自分のスタイルを貫く

そんな仕事ぶりだった。

仕事でも、私生活でも、ピンと背筋が伸びていた

そんな人生だった。

 

さらば、武田栄美。

武田さんの好きだったBoss(ブルース・スプリングスティーン)をかけようと思ったんだけど、

ここには1枚もなかったんだ。

だから、Neil Youngの『Tonight’s the Night』を選んだ。

全員が酔ってデロンデロンになって、友を偲んでいるアルバムだ。

あの「チクノウ声」って、武田さんはよくクサしていたなあ。

私らしい追悼曲だと苦笑している顔が浮かぶ。

 

先月、最後に会ったときに、

「事務所もいつまで維持できるかわからない」と私がいったら、

「戻るところがなくなったら(復帰をめざして闘病する)張り合いがなくなる」と

意外に明るく話してくれたことを思い出す。

あれは、私を励ましてくれたのだったろうか。

 

これからも私は仕事中にふと振り向くだろう。

そこに武田さんがいて、

朝から夜までコツコツとゲラや原稿に向かって、

赤鉛筆やボールペンをせわしく持ち替えたり、

几帳面に定規を使ったりしている音が聞こえた、

そんな気がして。

さようなら。

まがりなりにも今日まで

キャリアを積んでこられたのは

あなたのお陰でした。

心からの感謝・・・

そして、

合掌。

 

 

Farewell to my friend あるいはTonight’s the Night」への5件のフィードバック

  1. 松田正弘

    武田様の御冥福を心よりお祈り致します。
    竹屋さんも寂しくなるでしょうが、どうか事務所を維持してください。
    それにしても……いい選曲です。

    合掌

    返信
  2. office-tal 投稿作成者

    松田さん
    ありがとうございます。
    これをいい選曲だというのは、やはり同世代ですね。
    60そこそこで亡くなるのは、やはり早いですね。
    では、また。

    返信
  3. 檀特 隆行

    土曜の午後、あの三階の編集室で、
    若き学生時代のアメリカの想い出を語ってくれた
    貴方の笑顔が忘れられません。

    普段、自分のことはちっとも喋らない貴方が、
    西海岸のシンガーソングライターの面々を、
    楽しそうに、話してくれた。
    それもかなりマニアックに……。

    そして少しだけ、大切な人だった彼氏のことも……。

    もう、三十年前のことでした。

    貴方が退職した時、私は寂寥の思いで一杯でした。
    その時にこの一枚のLPを持っていて欲しいと、
    半ば、押しつけ気味に手渡しました。
    気に入って頂けたでしょうか。

    それは、バリー・ゴールドバーグの「Barry Goldberg」でしたね。
    60年代から70年代、オルガン/キーボードのセッションミュージシャンで、
    このアルバムはディランがプロデュースしています。

    手もとにはこのアルバムは有りませんが、やはり有名な曲は、
    「It’s Not The Spotlight」(それスポットライトではない)
    (作詩・作曲ジェリー・ゴフイン、バリー・ゴールドバーグ)

    ご存じのように、ロッドスチュアートが名盤「アトランティッククロッシング」でカバーしており、これが一躍大ヒットしましたね。そうそう、ジェリー・ゴフインはキャロル・キングの元夫でしたね。

    浅川マキの日本語訳も容易にネットで見ることが出来、YouTubeでも、その歌が拝聴できます。とくに、つのだひろのソロも良いですね。ついでに金子マリもアカペラで渋く歌っております。

    貴方は、光につつまれた世界に往かれたのですね。
    本当に涅槃寂静の世界へ。

    いつも、いつも、その光がこの娑婆の闇を歩く私を、
    照らして下さっていることを、忘れずに生きていきます。

    また会わせて頂きますように。

    竹屋さんへ
    勝手に大切なブログを汚してしまって、すいません。
    一カ月前の会話を読んだら、書かずにおれなくなりました。

    竹屋さん、Kさん、そしてもう一人のKさん、最後までのお見送り、本当にご苦労さまでした。
    申し訳ない気持で一杯です。

    お元気でご活躍のこと、念じております。

    称名

    返信
  4. 檀特隆行

    85年、武田さんとFuさんと、3人で甲子園に行ったことを懐かしく思い出しております。阪神百貨店で弁当を買って、外野でビールを飲んで、ワイワイガヤガヤと応援したものです。武田さんは甲子園は初めてだったみたいです。
    たしか、大洋戦で長崎の劇的なサヨナラホームランで、試合を決めました。ご存じの優勝したシーズンでした。

    武田さんの興奮してた喜びのお顔、今でも目に浮かびます。

    武田さん、ありがとうございました。

    竹屋さん、なんにも出来ず、申し訳ありません。

    この投稿二本めです。前回のは、自宅のマックで送りましたが、うまくいかなかったみたいです。

    返信
    1. office-tal 投稿作成者

      檀特さん
      心のこもった弔辞、ありがとう。
      30年前、武田さんはあなたを弟のように思っていました。
      あなたたちは仲のよい姉弟のようでした。
      音楽のことも、タイガースのことも、
      武田さんのなかでも最後まで残っていたよい想い出だったと思います。
      阪神タイガースのタオルをお棺に入れておきました。
      今年、久々の優勝を果たせば、武田さんも喜んでくれるでしょうね。
      では、お別れ会で。

      返信

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